本来なら静かに営まれるはずの葬儀の中、ギターとドラムの音が鳴り響くロックミュージックが流れる中で、祖父の葬儀が進行していきました。これは、祖父の最後の夢だったのです。祖父は生前、ロックミュージックをこよなく愛し、自らもバンド活動を行っていました。会社勤めをしながらも、休日になるとスタジオを借りてエレキギターを弾き、定年後は、アコースティックギターを購入して、自宅で音楽を楽しんでいました。しかし祖父は、肺がんを患ってしまい、入院することになったのですが、そこでも自前でラジオを持ち込んで、いつもロックミュージックを聴いていたのです。そんなにも音楽を愛していた祖父は、自らこの葬儀の行い方を望んでいたのでした。それは、祖父の遺してくれた遺書でわかったことでした。祖父が入院してからは、もういつになってもおかしくないと主治医から告げられていたため、それなりの準備はしてありました。そうしてお別れのときがやってきてしまい、その準備を整えることになったのです。しかし、その遺書を読んだとき、準備していた葬儀がガラッと形を変えることになりました。

なぜなら、ロックミュージックをかけながら葬儀を進行させてほしいという夢が綴られていたからでした。私たちは、すでに利用する葬儀会社を見つけていたため、そのような演出ができるのか、全くわからない状態でいたのです。きっと無理だろうと思いながらも、祖父の夢だと思い、伺ってみることにしたのでした。すると、その葬儀会社の方が了承してくださり、本当にロックミュージックを流すことに決まったのでした。私はそれまで、ロックミュージックはもちろん、音楽の流れている葬儀なんて経験したことがなく、私は無理を言ってしまったのではないかと思いました。しかし、親切な葬儀会社だったのか、そんなことはないと、否定してくださったのです。

こうして、祖父の夢の葬儀が実現されたのでした。実際の葬儀では、参列してくださった方みんなに驚かれてしまったものの、祖父の趣味を理解してくださり、予想以上に暖かい雰囲気の中で葬儀が進行していきました。そうして葬儀を終えてから、きっと祖父も喜んでくれただろうと、家族で話し合うことができたのです。もちろん、親切な葬儀会社の方々には、大いにお礼の言葉を伝えさせていただきました。祖父の夢を実現できたのは、この葬儀会社のおかげでもあるからです。祖父の最後の夢を叶えられてよかったです。