私は今30代半ばですが、これまで葬儀に出席したのはそう多くないと思います。とはいえ、祖父母や親せきの伯父、伯母などが亡くなると葬儀に参列し、特に同居していて大好きだった父方の祖母が私が高校3年生の時に亡くなった時は悲しかったです。でも、祖母はもう75歳を過ぎていたしずっと病気で入院していたので死期がそう遠くないのも分かっていたし、そういう意味では十分生きてから亡くなった、という思いがみんなにあったのでお通夜やお葬式の時も割と穏やかに見送ることができました。60歳前で亡くなった伯父もいましたが、その伯父もずっとがんを患っていて何度もお見舞いに行ってどんどん具合が悪くなるのを目の当たりにしていたのでみんな覚悟ができていたし、やはり病気で苦しんでいる姿を見ているので、亡くなっても悲しい気持ちと同じくらい「もうこれ以上苦しまなくて済むんだな」と思う気持ちが湧いてくるんですよね。

そういう意味では、病気で亡くなるというのは本人にも周りの家族にも死への覚悟ができる期間がある分、いいかもしれません。私が参列した中で最も悲しい葬儀体験は、高校の同級生の葬儀です。高校のクラスメイトの男の子で、特別に仲が良かったわけではないのですが、高校を卒業して1年も経たない時に車の事故で亡くなったんです。彼はホテルマンとして働いていて、高校の友人4人で明け方の道路をドライブしていて、運転していた彼が車を飛ばして道を曲がり切れず壁にぶつかったそうです。運転席の彼は、車がぶつかった時はまだ意識があって、他の友達3人に「ごめんな、ごめん・・」と言いながら意識が亡くなってそのまま帰らぬ人となってしまいました。

つい一年前までは同じ学校に通っていたのに、と信じられない気持ちがしながら友人たちと葬儀に参列しましたが、まだ19歳という年齢で突然の事故で亡くなった人の葬儀というのは本当に重い空気が立ち込め、親御さんや友達のすすり泣く声とお坊さんの読経しか聞こえず、それまで参列した祖父母の葬儀などとは全く雰囲気の違うものでした。彼のお父さんの憔悴しきった顔とお母さんの泣きはらして魂の抜けたような顔をまともに見ることができず、かと言ってわんわんと泣くこともできず焼香をして葬儀場を後にしました。自分にとってすごく近しい人だったわけでもないけどやはり若くして突然亡くなるというのはそれだけ人の心に影を落としますね。2人の娘の親となった今、彼の親御さんの心境を思わずにはいられません。